残業実態調査レポート(2017年5月)

1.調査概要

対象者:  全国の企業にお勤めの方
回答者数: 3,417人
実査時期: 2017年5月
調査方法: インターネット調査


2.結果の概要

(1)全産業平均で月平均30時間弱の残業が発生、5.1%は過労死ラインを超える残業量であり、不払い(サービス)残業も4割以上存在、運輸、ICT関連、建設等が残業時間上位にあがっています。

(2)縦割りの弊害による仕事の平準化不足が組織内の特定部門・部署でいびつな残業集中を発生させています。

(3)残業の原因として「業務プロセス」に起因する要因が最大であり、業務の肥大化が残業を助長していると考えられます。

(4)「人財」に起因する問題がこれに次いで多く、属人的要因による特定従業員への残業集中が顕在化しています。
仕事に集中できる割り込み防止、業務量・時期に合わせた柔軟な労働時間の設定、残業削減への評価・残業が削減しても収入が減らない報酬制度等が残業削減に大きな効果が残業削減に大きな効果を上げると判断できます。


3.全体の残業時間(1か月の時間)

平均値:27.3時間
中央値:20.0時間



4.不払い残業時間

あり:958人
なし:1,247人



(1)月平均30時間弱の残業が発生
月あたりの平均残業時間は27.3時間、最も多い層は「10時間未満」で22.2%、「ほとんどない」は18.2%でした。

(2)5.1%は過労死ラインを超える残業量
過労死ラインといわれる月80時間以上の残業をしている人が5.1%存在しました。

(3)不払い(サービス)残業も4割以上存在
残業時間があると回答した人のうち、43.4%に不払い残業時間がありました。


5.業種別残業時間(1か月の時間)


運輸、ICT関連、建設等が残業時間上位
業種別では「鉄道・旅客・運輸業」「インターネット附随サービス業」「ソフトウェア開発業」「総合建設業」の順で残業が多く、これらの業種では月平均残業時間が25時間を超えていました。


6.残業が発生する原因

残業発生原因52項目中、平均値の上位10項目を表示。
(回答尺度は1~6の6段階、数値が高いほど、その傾向が強いことを示す)

(1)縦割りの弊害による仕事の平準化不足でいびつな残業が発生
•残業原因の第1位は「部門・部署間業務量格差」でした。特定の部門・部署への業務集中が平準化されず、縦割りの弊害が組織内に残業のいびつな山谷を作っている様子がうかがわれます。

(2)属人的要因による特定従業員への残業集中が顕在化
•「従業員間スキル格差」「特定個人への業務集中」「業務の属人化」「多能工化不足」「改善意欲の低さ」「モチベーションの低さ」の属人的要因が残業原因の上位にあがっています。
•スキルの格差、属人化による業務のブラックボックス化が特定個人への残業集中をもたらし、多能工化や意欲の低さが業務量の平準化を阻害していると考えられます。

(3)業務の肥大化が残業を助長
•残業原因の第3位に「業務の肥大化」があがっています。肥大化する業務が仕事の所要時間増大をもたらし、残業を増幅している様子が表れています。
•残業削減には業務の効率化が不可欠であることがわかります。



7.残業発生原因類型

残業発生原因52項目を発生要因で類型化しカテゴライズしたものの平均値。
(回答尺度は1~6の6段階、数値が高いほど、その傾向が強いことを示す)

「業務プロセス」に起因する要因が最大「人財」に起因する問題がこれに次ぐ
•残業発生の要因を類型化して大別すると「業務プロセス」に起因する要因が最も強く残業発生に影響していることがわかります。多くの企業において、業務の効率化が残業削減の重要課題になっていると考えられます。
•「人財」に起因する問題がこれに次いで大きな原因となっています。個々の人財のモチベーション、スキル開発、ジョブアサインの適正化等が求められていると考えられます。



8.残業削減対策の効果


仕事に集中できる割り込み防止、業務量・時期に合わせた柔軟な労働時間の設定、残業削減への評価・報酬が残業削減に大きな効果

•「がんばるタイム」「業務の繁閑に応じた営業時間、休業日等の設定」「残業削減が評価される人事管理・報酬制度の導入」等が、特に効果が大きい残業削減策としてあがっています。

•仕事に集中できる割り込み防止、業務量・時期に合わせた柔軟な労働時間の設定、残業削減に努力する従業員への積極的評価・残業が削減しても収入が減らない報酬制度等が残業削減に大きな効果を上げると判断できます。



9.回答者プロフィール

男性:2,197人
女性:1,220人



役職なし:2,225人
リーダークラス:648人
管理職クラス:544人



25才未満:56人
25才~29才:181人
30才~34才:334人
35才~39才:462人
40才~44才:660人
45才~49才:649人
50才~54才:506人
55才~59才:333人
60才以上:236人


PDFファイルはこちらからダウンロードしてください。