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第6回 偶然をチャンスに変える

執筆:青木 仁美(あおき ひとみ) 公開:



前回は自分のキャリアが思うとおりにいかないとき、いったんあきらめて受け入れましょう、というお話をしました。置かれた状況を受け入れず抵抗し続けても無駄なエネルギーを消耗するだけです。一度受け入れると現状に立ち向かう力が出てきます。上手にあきらめ、状況を改善することに集中してみましょう。

 

人生何が起こるかわからない

私が好きな言葉に「人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)というものがあります。この言葉を座右の銘にしていらっしゃる方も多いようですね。

意味はおおむねこんな感じでしょうか。

不幸な出来事だと思ったことも、その後良い結果につながることがある。
反対に、幸せな出来事だと思ったことも、悪い結果につながることがある。
人の人生はどのように転ぶかわからない。

ここからいろいろな教訓が得られると思いますが、私が心がけているのは、ひとつひとつの出来事を良い、悪い、と判断するのではなく、全体の流れでとらえるようにすることです。

これは幸せキャリアを歩むためにとても大切な考え方です。

 

災い転じて福となす

以前のコラムで地方の営業所長に配属され落ち込んでいる中山さん(仮名)のことを取り上げました。
その後には本人の行動次第で極端に違う2つのシナリオがありました。起こった出来事をどう捉えるか、どう乗り切るかは本人次第というお話でした。

過去を振り返ってみると、つらかったことや苦しかったことがあったからこそ、その後の人生にプラスに働いたという経験があるのではないでしょうか。
その時点では不幸に感じていても、振り返ってみると、あのときがあって良かったと思えるようなこともあります。


たとえば仕事で大きな失敗をし、お客様から大クレームになってしまったけれど、誠心誠意対応したら「そこまでやってくれるのか」と感動していただけ、かえってファンになってくださったとか。


たとえば社内公募のプロジェクトに手を上げたけれど選考に漏れ、がっかりしていたけれど、そのおかげで別の部門を任され、天職といえるようなやりがいのある業務に就くことができたとか。


その時点では「悪い」と思われる出来事でも自分にとっていい方向に利用し、良い結果につながるように積極的に働きかけることもできます。

 

偶然をチャンスに変える

キャリアを考える上で、プランドハプンスタンス(計画された偶発性)という有名な理論があります。
個人のキャリアは予期できないことの連続で、自分ではコントロールできない要因によって決まることが多々あります。しかし、その予期できない偶発的な出来事をうまく活用し、積極的に自分のキャリア形成につなげていこうというものです。

そのために重要なことは、予期せぬ出来事が起こったときの心構えです。
その出来事が良いことであっても悪いことであっても、プラスに活用しようとする姿勢が大切です。


積極的に行動することによって、偶然をチャンスに変えることができるのです。

 

前にも書きましたが、個人のキャリアは計画通りに進むものではありません。

どんな出来事が自分のキャリアを広げてくれるかはわかりません。起こったことがたとえ自分にとって悪いことのようにみえたとしても、「チャンス」だと思って主体性と努力をもって取り組んでみてください。

 

きっと思いがけない幸せな未来が待っていると思いますよ!



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