第3回 女性が活躍できる職場づくり
執筆:青木 仁美(あおき ひとみ) 公開:
先日「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が成立しましたね。社員が301名以上の企業には、数値目標も含めた事業行動計画を策定し、公表する義務が課されました。
女性の活躍に欠かせないのは女性が働きやすい職場です。女性活躍推進法で決められた数値目標としては、女性管理職の割合がよく取り上げられていますが、それ以外にも採用における女性の割合や、女性と男性の継続勤続年数の差を縮めることなどがあります。
数値目標の設定には賛否両論あるようですが、目標があることで、それを達成するための工夫が生まれることが良いのではないかと思います。
もちろんお飾りの目標だけ設定して、達成努力をしないアリバイ工作では論外ですが。。
女性の働き方に見られるM字型とは
女性のキャリアでよく問題になるキーワードに「M字型」というものがあります。これは年齢別に女性の労働率を折れ線グラフにすると、25歳~29歳をピークに、30歳代は落ち込み、40歳代から再び上昇することでアルファベットのMの字のようなカーブを描くことからそのように言われています。(下図)
総務省統計局 労働力調査より作成
30代は出産、子育てのために仕事を離れ、40代からまた仕事を始めるという人が多いようです。これは日本独特の現象で、欧米先進国では結婚、出産、子育て期でもこのような労働率の減少は見られないそうです。
Mの一番低いところの割合は、以前に比べると徐々に上昇してきているようですので、これからはもっと差が縮まるかもしれませんね。
継続勤続年数の男女差
女性活躍推進法で触れられている数値目標のひとつに女性と男性の継続勤続年数の差を縮めるというものがありました。平成26年の「賃金構造基本統計調査」によると、女性の平均継続勤続年数は9.3年で、男性では13.5年となっています。上記のM字型カーブが示しているように、継続勤続年数は30代から差が大きくなり、50代では7、8年の開きとなっています。(下図)
厚生労働省 賃金構造基本統計調査より作成
女性の継続勤続年数を伸ばすには、女性が働きやすい環境を整備することが肝要です。同じ職場で安心して長く働くことができれば、自然に勤続年数も伸びていくでしょうし、当然の流れとして管理職に占める女性の割合も増えていくのではないでしょうか。
女性管理職の割合を増やすという数値目標も重要かもしれませんが、女性が活躍できる職場にするためには、長く働ける職場づくりにじっくりと取り組むことが求められているのではないかと思います。
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