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第10回 幸せなキャリアに導くキーワード

執筆:青木 仁美(あおき ひとみ) 公開:



前回は自分の価値観を知り、日々の仕事に取り入れることの大切さについて書きました。価値観に合わない行動を続けていると、気づかないうちにストレスがたまってしまいます。自分の価値観を尊重する機会を増やしていくことが大切です。

今回は、自分が仕事に求めていること、経験したいと思っていることに気づくための「キーワード」を見つける方法をご紹介します。

 

やりたい仕事の要素を抽出する

前々回のコラムで嫌いな仕事を分析するという手法を紹介しました。嫌いだな、いやだな、と思う業務があれば、なぜそれが嫌いなのか掘り下げて考えるのです。すると、全部がいやなのではなくてある特定の行動や作業が嫌いだと気づくことができます。

 

同様に、好きな仕事やなりたい姿についても、なぜそれが好きなのかを細かい要素にわけて考えると自分の希望や価値観が鮮明になってきます。

 

たとえば、なりたい姿や理想の仕事について思い描いたら、どうしてその仕事をしたいかを箇条書きやキーワードで書き出してみます。

 

なりたい姿:

海外営業部で世界の国々と取引がしたい

 

なぜその仕事がしたいのか:

・常に最新の情報に触れられる

・たくさんの人と交流することができる

・世界が広がる

・さまざまな経験ができる

 

キーワード:

新しい刺激、コミュニケーション、グローバル、社会貢献

 

「海外営業部で働きたい」という希望を持っている人はたくさんいるかもしれませんが、その理由は人によって違います。

「海外という舞台で自分の力を試してみたい」「海外の人と関わる仕事がしたい」「役員への登竜門なので出世に有利」など、それぞれの理由があるでしょう。

 

そして、なぜその仕事がしたいのかという理由を掘り下げてみると、必ずかなえたい中心的な望みが見つかると思います。それらは短い言葉や単語にまとめることができます。

 

上の例では、箇条書きした理由から思いつくキーワードをあげてみると、「新しい刺激」、「コミュニケーション」、「グローバル」、「社会貢献」の4つが出てきました。これらがこの人にとって核となる想いです。以前に紹介したキャリア・アンカーにも通じるものがあるでしょう。

 

これらをかなえるためには必ずしも海外営業部でなくてもいいかもしれません。このように、自分が本当に実現したいことは何かを要素に分解すると、職種や業種にこだわらず、柔軟にキャリアを考えることができます。

 

自分だけのキーワードを見つける

自分がやりたい仕事、好きな仕事、なりたい姿などをたくさんリストアップし、上記のように、理由を抽出してみると、共通して何度も出てくるキーワードがあると思います。

そのようなキーワードはあなたが大切にしているものということです。

 

現在の仕事内容について、それらのキーワードに関係することが含まれているでしょうか。たとえば上の例では「新しい刺激」、「コミュニケーション」、「グローバル」、「社会貢献」ですが、自分の仕事に照らし合わせて、それらがどれだけ満たされているでしょうか。

もしたくさん当てはまるとしたらあなたは幸せキャリアを歩んでいますね。

 

でも、もしあまり満たされていないとしたら、どうすれば取り入れられるか考えてみましょう。すぐにすべてをかなえることは難しいかもしれませんが、自分で働きかけることで、少しずつ取り入れる方法もあるはずです。「新しい刺激」が足りないな、と思ったら、最新の情報に触れられるコミュニティに参加してみるとか、勉強会を立ち上げてみるとか。そうすればコミュニケーションの機会も増えるでしょうから2つをかなえることができますね。

 

自分の好きなこと、ワクワクすることを少し取り入れるだけで、仕事のほかの部分にもいい影響を及ぼすことがあります。

幸せキャリアへの道は小さな一歩から。

自分のキーワードを見つけて少しずつ実践してみませんか。



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